SWIMMER

収録曲

1.冒険者たち
2.恋・後編
3.SWIMMER
4.もっと悲しいサヨナラ
5.夏の翳り
6.SPIN LOVE
7.きみが愛した少年
8.悲しみの感触
9.加速された景色
10.SWIMMER (Reprise)
11.time after time

テイチク/コンチネンタル

コメント

僕には珍しく夏のアルバム。そりゃーそうだよ、夏生れだもの。前から考えていたテーマ。でも海は怖い。泳がない。(泳げない、25mぐらいしか。)で、アルバムジャケットはとある都内のホテルのプール。このアルバム時のコンサートツアータイトルは「Swim across the city」、真夏を涼しく泳ぎきるっていうのが真意。

アルバム全体を通して漂うのは「浮遊感」だ。意識してそうした。濃いものより透明なもの、例えるなら関東のうどんの汁ではなく関西のうどんの汁の感じ。透明だけど味は割としっかりあるもの。(しかし西のうどんはうまい!今では東京でうどんは食えなくなってしまった。東京ではそば専門です。)

良いアルバムだな。僕のアルバムってカラフルなのが多い気がするのだけど、これはブルーのモノトーン。「水に書いた絵」って感じ。

1、は歌詞のどんでん返しが気持ち良い。ギターはアマチュアの頃から大好きだった土方隆行さん。レコーディング当日、僕は39度の熱をおしてフラフラになりながら「こんな風にギター弾いてください」ってお願いした記憶がある。その後点滴しに病院に直行したのは言うまでもない。2、はシングルカット曲、好きなんだけどな、この曲。4、は来生たかおさん風かな、切なさの度合いが。

6、みたいな振り回され系の男の哀れさって、ユーモラスに捉えているんだな、いつも。7、は僕の中ではフォークソングとして作っているんだな。郷愁感というか、自分に対するメッセージのあり方というか、そのあたりが!(どのあたり?)

8は珍しく今までライヴで一度も演奏したことがない。リハーサルまではやるんだけど・・・何故?すごく好きな曲なのに。9、は実は大好き。こういう8ビート好きなんだな。

3、はアルバムタイトル曲。ほのかなエロス漂う隠れた名曲。こういう愛の形って良いよね。11、はtb:村田陽一くんのソロをフィーチャーしたリプライズ。彼も有名になりました。5、は伊勢正三さん作詞。ある日ぷっらっと伊勢さん宅に遊びに行ったとき聴かせたのがこの曲のデモテープ。盛り上がってその日の内に届けられたfax。もう歌詞は完成していました。地味ながら傑作。11、は同じく傑作。日溜り、木漏れ日、夏の終わり。ライヴでは、ほんの一部歌詞を変えて歌う。さてどこでしょうか?

「saturday11:30am」にも通ずるものがあるかな。水のように透明で、必要で、容器のなかでその形で存在する。そんなものを目指していたアルバムです。