Re-born
収録曲
01. 恋人と別れる50の方法
02. こわれゆく男
03. あの日の駅
04. Re-born
05. あなたを愛せるなら
06. COUPLES -カップルズ-
07. エスカレーター
08. ありふれた愛について
09. しあわせになりたい
10. 思い出さない夜はないだろう
日本コロムビア/ROOT-K
コメント
最近(2003年8月頃)思うに、このアルバムの曲を随分と歌っていない。レコードメーカーをT社からC社に移籍しての第一弾アルバム。秋元 康さんのプロデュース
1、はS&Gの名曲と同じタイトル。「例えば、こんなタイトルの楽曲を作りましょう!」と提案したらそのままのタイトルの歌詞が送られてきた。「これは拙い…」ということで秋元さんの歌詞にイチャモンをつけだした僕である。そういうわけでこのアルバムのほとんどの歌詞が秋元さんと僕の共作なのだ。ちなみに彼は基本的に共作しないそうです。曲自体は軽快で気持ち好いナンバー。歌詞の内容が最近歌うことを躊躇わせる部分ありか?でも好きな曲です。
2、は危ない男。ありきたりの”好い人”のキャラクターでいつも振られる男に飽き飽きしていたのでこういう方向にベクトルを向けてみたのだろう。ポケベルが時代を語るなぁ。
3、フォーク・ソング。素朴キャラ。遠い青春だなぁ。4、深い歌詞です。愛は儚い。人生も儚い。永遠は夢の中に。佳作ですね。5、あなたを愛せるなら他に何もいらない…なんて言ってみたいものですが、冷静に自分をも分析する僕は果たして言えるのだろうか?
6、は「彼女を巡る二組のカップル」。一組は今現在の彼女と彼氏。もう一組は彼女と過去の自分。ん~切ないナンバー。7、はこれこそ危ない男かもしれない。映画の1シーンのような曲を作ってみたかった。想いって何でしょう?紙一重で美しくもなり危険にもなる。両刃の剣ですね。
8、のような内容は僕の「愛」についての本音だな。分かり合うこと、それが基本。9、はブライダルソング。大本友子さんの歌が冴え渡る。素晴らしい歌い手ですね。幸せになりたいって思う人に幸せが必ず訪れると良いんだけどなぁ・・・。
10、弦楽器の編曲が印象的なナンバー。ライヴで再現できないのが残念。いかにも秋元康節。これで僕を知ってくれた方もいるので嬉しい。この曲のシングル盤をリリースする前後に人間不信になるような出来事があって、それが理由でレコード会社を移籍した。悲しい思い出のある曲ですね。
「至上の愛」・「THE ALBUM」に続く作品として実験や冒険の反動でスタンダードを、とスタッフからも望まれてできた作品。作曲の多くを後藤次利さんが参加している。果たしてこの方向性が、この時代のスタンダードだったのかどうかは分からない。レコーディング中も、そして今も、サウンドがこの時代の新しいものではないという考えは変わらない。前2作で模索した僕の歌とサウンドの方向性が正解だったとは思えない部分もあるが、あの頃、確実に時代の変化が訪れていたと思う。変わるものと変わらないもの。音楽においても永遠のテーマ。自分の良さを失ってまで新しいトライをする必要はない。かといって保守的なままでいることに鈍感にはなれない。人間関係と音楽における苦悩。ジャケット写真にも笑顔はない(いつもジャケット写真であまり笑わないか・・・笑)。好きな歌も多いのに、聴くとその苦悩を思い出す。
とにかく生まれ変わる(Re-born)ために必要だった作品ですね。この後の作品の力みのない感じはこのアルバムあってこそでしょう。
1994/9/26リリース